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zoom RSS ばねとりこ 『雪女』

<<   作成日時 : 2015/05/12 11:00   >>

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本来カセット・レーベルとして出発しながら、
一時は CD-R を主要メディアとしていた米国西海岸の老舗 Banned Production。
螺旋を描くような時流に応え、それは嬉しくも完全なカセット・レーベルとして再び機能し始めた。
出版のペースは結構速く、カタログには新旧様々な作家の作品が名を連ねている。
奈良県出身でありロサンジェルスに在住する妖怪ノイズ作家 『ばねとりこ』 さんのアルバム、
『雪女』 がその Banned Production から出版された。

彼女の創生するノイズは、言わば金属の軋みが徘徊するハーシュなものだ。
ザ・ニュー・ブロッケイダーズ (TNB)、あるいはオーガナムなどをさえ想起させる。

そんなノイズを創る為に用いられるのが、『バネテック 2000 改』 という自作の楽器である。

VHS ヴィデオ・デッキのヘッドを発音源として複数装備し、そこに数本の弦を張り構成されている。
「さながら大阪のひなびた下町工場で作られている感じ」 を、イメージしたオリジナル楽器だと言う。

釣り竿のリールを回す様にして演奏する姿は、豊穣なる妖気と情念を感じさせる。
そして弦を振動させる為には、ドライアイスの塊が用いられたりもするのだ。

このアルバムにおいては、『溶け行く氷塊』 と表記されるモノが振動の源なのだろう。
いでたちの全てが、或る意味でリチュアルを想わせそうにさえなってしまう。

だが目的とするパワーを召喚する作業ではあっても、願いを成就しようとする情念こそが演奏の鍵だと想う。
こうした情念こそが、そして願を成就し切れないことへの想いこそが妖怪を成す本態なのだろう。

おそらく演奏に際しては妖怪との間で意識の重畳を試みているのだろう、ばねとりこさん。
軋みと切なさで充満するそれこそ妖怪ノイズが見事に創生された、独特の作品として推薦する次第だ。

なお、彼女は一作品に一つの妖怪を選び演奏に挑む。
そんな風に或る妖怪を選んだ作品を日本で出版する企画が進行しているので、是非ご期待を。

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