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zoom RSS 蟲文庫と音楽の気配

<<   作成日時 : 2012/11/11 11:00   >>

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9年半の間、倉敷で働いている。
だが、蟲文庫さんの存在を知ったのは最近のことだ。

そのきっかけが何だったかなと振り返ってみると、はっきりとは想い出せない。
モダ〜ン・ミュージック/PSF Records の生悦住英夫さんに教えて頂いたのが最初だと、そんな気もする。
「PSF の作品とか G-Modern とかが、あの店ではとても良く売れましてね」 と聞いて、ちょっと驚いた。
何せ、マヘル・シャラル・ハシュ・バズのDVDなど入荷するとすぐに二桁数が売れてしまったらしい。
「店主の田中美穂さんは、昔からモダ〜ン通販のお客さんだったこともあって」、という話も伺った。
この情報が本来は古書店である蟲文庫に対する私の興味を加速を促したことは、言うまでも無い。

それでインターネットで蟲文庫さんのサイトを拝見すると、それはとても味わい深い。
田中さんが綴られている 『蟲日記』 は何気なさが心地良く、出遭いの神秘を教えてくれる。
そしてついつい眼の行ってしまうのが 、『蟲通販』 というちょっと変わったグッズの販売コーナーだった。
「羊歯 (しだ) の縫いぐるみ」 という田中さんお手製の逸品は、なんてユニークなんだろう。

モダ〜ン・ミュージックとご縁のある方が営む店舗だからか、古書店なのにCDなどの取り揃えも面白い。
作家さんを挙げると、杉本拓さん/宇波拓さん/かえる目/Yumbo/工藤冬里さんなどなど。

個性豊かな音楽家の作品を揃えておられることに、とても驚いてしまった。
そこでも、とりわけ異彩を放っていたのが Kito Mizukumi Rouber の作品である。
当時まだ聴いたことが無かったものの、そのすっとぼけていて異様なジャケットのインパクトたるや大。
「ここまでの作家を扱うなんて、田中さんの音楽趣味は如何なるもの?」 と、興味が煽られてしまった。
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話は変わるが、昨年の春くらいだったろうか、インターネットで 『リック・ポッツ』 をキー・ワードに検索していた。
ロサンジェルス・フリー・ミュージック・ソサエティ (LAFMS) の情報は、そんな風にして常に集めているのだ。

全く偶然に、工藤冬里さんがリックについて記しておられる記事を目にした。
それは、2003年秋にマヘル・シャラル・ハシュ・バズがロサンジェルスでライヴを行った時の話だ。

マヘルのメンバーはこの時、リックとそのパートナーであるクリスティンの家に滞在していたらしい。
工藤さんはリックから機材を借りたりもして、Spaceland という場所でマヘルのライヴを行う。
レッド・クレイオラが後に控える催しにおいて、彼らは演奏を開始した。
最初、お客さんは演奏の始まりに気付かなくて反応も少なかったらしい。
でも、そこに居たリックとクリスティンだけは盛んに拍手を送っていたのだと言う。
この時のライヴは彼らの拍手をも収め録音され、後にCD-Rアルバムとして出版された。

アルバム・タイトルは、“2003/9/11 Spaceland, LA ~ Maher goes to the city of the palms”。
出版元は、牧野かよさんが主宰される direct dependent sales (dds) だった。

このCD-Rは主に dds から直販されたのだが、蟲文庫さんの通販タイトルともなっていたのが面白い。
それを知った私は徒歩で蟲文庫さんに向かい購入したが、それが二度目の訪問だったと記憶する。

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さて、大分前の 『蟲日記』 には確か田中さんが大阪までファウストの公演を見に行かれた話が載っていた。
アモンデュールUのアルバム・カヴァー (ポスター?) の画像も、サイトのどこかに在った筈だと記憶は主張する。

何故そんな話をするのかと言うと、田中さんの音楽趣味はどこにあるのかなと最近想い始めたからだ。
そして、ジグソー・パズルのピースが身を寄せ合う様にして何気なくヒントが集まって来る。

先日、本ならぬカセットを委託させて貰おうとお願いに伺った時のことだ。
持参したのは M.B. のアーカイヴ・シリーズで、Banned Production から出ていたもの。
ダブル・カセット "Technology 1 & 2" を筆頭に、初期の気配を伝える磁帯 4 セットをお願いした。
新品あるいは殆どそれに相当するそれらを取り出した時の田中さんの言葉に、思わずのけぞった。
「M.B. だったら、前に LP で何枚か持っていましたんね」、と。

ジャーマン・ロックに留まらずノイズ/インダストリアルまでお聴きだったとは、想像もしていなかったのである。
さらにこんなお話まで聞いてしまった日には、田中さんの音楽趣味の濃さは尋常では無いと理解し始めた。
「店を始めた頃には在庫が少なくて棚が淋しいので、色んなものを並べていましたね。
マーブル・シープ (*) のカセットが沢山あったので並べてみましたが、CD の時代だったので流石に売れません。
でも、キャプテントリップ (**) 作品の取り扱いを通じ音楽つながりのお客さんが増えて来たのは嬉しかった」。

田中さんは、本邦のアンダーグラウンドまでちゃんと聴いておられたのだ。
そんな土壌があってこそ、蟲文庫にあの様な魅惑のタイトルが並ぶのだろう。

倉敷の美観地区に蟲文庫は在るので、観光に訪れる方々がやって来ることも少なく無いらしい。
そんな方々が、ちょっと可愛い感じのジャケットを見て CD を買おうとする場合もあると言う。
田中さんはその時、こんな風に声をかけてあげるのだとおっしゃった。
「ちょっと待って下さい。あなた、これがどんな音楽なのかご存知なの?」、と。
そして、丁寧にその音楽の成り立ちを説明してあげるのだそうだ。

先日は、小学校 4 年生くらいの男の子がお母さんとやって来た。
そして何と、Kito Mizukumi Rouber の CD を買ってくれとせがんだらしい。
もちろん (失礼!)、その願いは叶わなかった。
いやはや、想定など出来ない事態が発生する場所なのだなぁ。

蟲文庫さんでは、2006 年からライヴも催されている。
あがた森魚さんに始まり、友部正人さん、工藤冬里さんと工藤礼子さん、かえる目にテニスコーツ。
テニスコーツのお二人それぞれのソロに、宇波拓さん、杉本拓さん。
本当に魅惑の布陣だが、いずれ音を絞ったノイズも参画するのでは無いかなと妄想している。

* マーブル・シープ初期の正式名称は、Marble Sheep & The Run-down Sun's Children であった。
** キャプテン・トリップは、マーブル・シープの松谷建さんが主宰するレーベルである。

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内 容 ニックネーム/日時
カッコいい!興味をそそりますね(^m^)
http://www.fetang.co...
2013/08/04 14:59

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